2026-10-14(水)配信
セキュリティ脅威情報
本日の内容(全16件)
■ 要対応(緊急度が高く、多くの組織で対応が必要な事案)
KEV Microsoft Windows Shellにおけるコマンド注入の脆弱性
Microsoft Windows Shellにおいて、OSコマンド注入の脆弱性が確認された。この脆弱性は、ネットワーク経由の未認証の攻撃者がセキュリティ機能をバイパスし、システム上で任意のコマンドを実行することを可能にするものである。米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ局(CISA)は、本脆弱性が実際に悪用されていることを確認し、既知の悪用された脆弱性カタログ(KEV)に追加した。実際の攻撃に使用されていることから、迅速な対応が求められる極めて危険な状態である。CISA は米国の連邦政府機関に、2026年10月16日までの対応を求めている。
なぜご自身の組織で確認すべきか CISA KEVに登録された既知の悪用脆弱性であり、自組織のWindows環境におけるセキュリティ更新プログラムの早急な適用が必要なため。
影響
攻撃者によってネットワーク越しにセキュリティ機能が回避され、システム上で任意のコマンドが実行される可能性がある。これにより、機密情報の窃取、マルウェアの感染、あるいはシステム全体の制御権奪取などの深刻な被害に繋がる恐れがある。
対応策
ベンダーの公開情報: https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/vulnerability/CVE-2026-96951
KEV Ivanti Connect Secure における認証回避および任意コマンド実行の脆弱性
Ivanti Connect Secure において、なりすまし(スプーフィング)に起因する認証回避の脆弱性が確認された。この脆弱性は、認証されていないリモートの攻撃者が認証プロセスをバイパスし、システム上で任意のコマンドを実行することを可能にするものである。CISAは本脆弱性が実際に悪用されていることを確認し、既知の脆弱性リスト(KEV)に追加した。ネットワーク境界に位置する製品で認証なしのコード実行を許容するため、極めて重大な脅威である。CISA は米国の連邦政府機関に、2026年10月16日までの対応を求めている。
なぜご自身の組織で確認すべきか VPN機器における認証回避および任意コマンド実行の脆弱性であり、既知の悪用が確認されているため早急なパッチ適用と侵害調査が必要なため。
影響
認証をバイパスされた結果、攻撃者によってシステムを完全に制御され、機密情報の窃取や内部ネットワークへのさらなる侵入、ランサムウェアの設置などが行われる可能性がある。
脆弱性 Microsoft Windows等複数製品における計61件の脆弱性
Microsoft製品群において、解放済みメモリの使用(Use After Free)やヒープベースのバッファオーバーフロー、範囲外書き込みなど、複数の深刻な脆弱性が合計61件確認された。中でも最も深刻な脆弱性では、認証されていない攻撃者がネットワーク経由で任意のコードを実行することが可能である。これらの脆弱性はWindowsメッセージキューサービス、Microsoft QUIC、ネットワークポリシーサーバー(NPS)、Windows iSCSIなどのコンポーネントに存在し、システム全体に重大な影響を及ぼすおそれがある。
なぜご自身の組織で確認すべきか リモートコード実行を含む多数の深刻な脆弱性を修正する月例セキュリティ更新であり、自組織のWindows環境全体への適用が必要なため。
影響
認証されていない攻撃者によって、ネットワーク経由で任意のコードが実行され、システムが乗っ取られるおそれがある。
更新プログラムの入手
本件は Microsoft の月例セキュリティ更新(2026年10月)に含まれます。Windows Update(WSUS 等による配信管理を含む)の適用で修正されます。なお対象には拡張セキュリティ更新(ESU)の契約が必要な製品が含まれます。該当 KB: KB5127646、KB5126868、KB5126657 ほか。
脆弱性 GitLab CE/EE における任意コード実行の脆弱性
GitLab CE/EEに、正規表現の検証不備に起因する脆弱性が存在する。CI/CD設定において特別に細工された正規表現を使用されることにより、特定の条件下で、認証されていない遠隔の攻撃者がGitLabサーバー上で任意のコードを実行する恐れがある。CVSS基本値は10.0と評価されており、影響と危険性が極めて高い問題である。
なぜご自身の組織で確認すべきか 広く利用されるDevOps環境において未認証のリモートコード実行が可能な深刻な脆弱性であり、修正版への早急なアップデートが必要なため。
影響
認証されていない攻撃者によってGitLabサーバー上で任意のコードが実行され、システムの完全性、機密性、可用性が完全に侵害される恐れがある。
対応策
GitLab CE/EE 19.2.8、19.3.5、19.4.2 以降にアップグレードすること。
Google Chromeにアップデート、脆弱性37件を修正
📰 過去報告:10/7
Googleは、ウェブブラウザ「Google Chrome」のセキュリティアップデートをリリースしました。重要度が最も高い「クリティカル」とされる7件を含め、合計37件の脆弱性を解消しています。
10/7 報告と同じ Google Chrome について、クリティカル7件を含む計37件の脆弱性を解消するアップデートが公開されました。速やかな更新を推奨します。
なぜご自身の組織で確認すべきか 広く利用されるブラウザにおいて複数のクリティカルな脆弱性が修正されており、全社端末での速やかなアップデート適用が必要なため。
■ 脅威動向
脆弱性 Fortinet FortiSIEMなどの複数製品におけるパストラバーサルおよびSQLインジェクション脆弱性など5件
Fortinet社製製品において、複数の脆弱性が確認された。FortiSIEMにおけるパストラバーサル脆弱性(CVE-2026-106173)をはじめとして、FortiAnalyzer、FortiMail、FortiManagerなどにおけるSQLインジェクション脆弱性など合計5件の脆弱性が含まれている。最も深刻度の高い問題では、認証されていない攻撃者が細工されたパケットを用いて不正なコードやコマンドを実行するおそれがある。
対象ソフト
Fortinet製品は、企業ネットワークのセキュリティ管理、ログ分析、メールセキュリティ、統合管理などを担う基幹インフラとして広く利用されている。
影響
攻撃者によって不正なコードやコマンドが実行され、システムが侵害されるおそれがある。
脆弱性 SAP製品群における複数の重大な脆弱性(計4件)
SAP製品群において、CVSSスコア9.1から10.0に達する4件の重大な脆弱性が公表されている。最も深刻なSAP Cloud SDK for PythonのOAuth2 Server Side Request Forgery(SSRF)脆弱性では、攻撃者がtenant_subdomainパラメータを操作してトークンリクエストを不正なサーバーへ転送させ、クライアント認証情報を窃取することが可能である。その他、S/4HANAにおける任意のABAPコード実行、Visual ComposerやManufacturing Integration and Intelligenceにおける不十分な認可制御や権限昇格の問題など、システムの完全な乗っ取りや機密情報・完全性・可用性に深刻な影響を与える脆弱性が含まれている。
対象ソフト
SAPは企業の基幹業務を支えるERPをはじめとした統合ビジネスソフトウェア製品群であり、世界中の大企業や組織の財務、人事、サプライチェーンなどの管理において広く利用されている。
影響
攻撃が成功した場合、OAuth2クライアント認証情報の窃取、システム内における任意のABAPコードの実行、リモートシステムへの不正な内部操作の実行、および基盤となるJavaアプリケーションサーバーへの管理者権限を持つアカウントの不正作成などが発生し、結果として影響を受けるシステムの完全な制御権の掌握、ならびに機密性、完全性、可用性の重大な侵害につながるおそれがある。
脆弱性 Adobe製品群における多数の深刻な脆弱性(計26件)
Adobe製品群において計26件の深刻な脆弱性が公表された。Adobe Commerce、ColdFusion、Adobe Experience Managerなど複数の主要製品が影響を受ける。主な問題として、テンプレートエンジンにおける特殊要素の不適切な無効化、危険なタイプのファイルの無制限アップロード、サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)、コードインジェクション、不適切な認可、OSコマンドインジェクションなどが含まれる。CVSSv3.1の基本値は最高10.0(Critical)であり、いずれもユーザーインタラクションを必要とせず悪用されるおそれがある。
対象ソフト
Adobeが提供する企業向けの電子商取引プラットフォーム、アプリケーションサーバー、およびWebコンテンツ管理システムである。
影響
攻撃者によって任意のコードが実行され、現在のユーザーのコンテキストで特権の昇格やアカウント・セッションの制御を奪われる可能性がある。また、システム内部への不正アクセスや任意のコマンド実行につながるおそれがある。
NICT、スマホアプリ解析によるサーバ攻撃への注意喚起
情報通信研究機構(NICT)は、スマホアプリを活用した会員サービスでの情報流出事故の原因として、公開されているAndroidアプリを解析し、接続先のバックエンドサーバを特定して攻撃する手法「A2B攻撃」を指摘し、注意を呼びかけました。
脅威の概要
一般公開されているAndroidアプリが解析され、接続先となるバックエンドサーバやAPIが特定された上で攻撃にさらされる「A2B攻撃(App-to-Backend Attack)」の手法について、NICTが注意を呼びかけています。アプリ自体に脆弱性がなくても、接続先のサーバやAPIの脆弱性や設定ミスにより不正侵入や情報窃取につながるおそれがあります。
主要なTTP
一般公開されているAndroidアプリの解析
アプリの解析結果に基づく接続先サーバおよびAPIの特定
特定された接続先バックエンドサーバへの攻撃
対象となる組織・利用者
スマホアプリと連携するバックエンドサーバやAPIを運用している組織。
推奨される防御アクション
アプリと通信するサーバやAPIの脆弱性対策を実施する
バックエンドサーバにおける認証や認可の設定を適切に管理する
サーバ側の侵害調査を実施する
低価格Android端末に初期マルウェア、プロキシ化か
低価格なAndroidスマートフォンに、システム権限を持つマルウェアが初期ファームウェアとして組み込まれているのが発見されました。Bitdefenderが「Midnight Mimosa」として追跡しており、広告詐欺やデバイスをレジデンシャルプロキシとして利用するボットネット化などの活動が行われていると報じられています。
脅威の概要
MediaTek製プラットフォームを搭載した低価格なAndroid端末のファームウェアに、システム権限を持つマルウェア「Midnight Mimosa」が初期導入されているのが確認されました。リモートサーバーから構成やペイロードを取得して、広告詐欺やデバイスのレジデンシャルプロキシ化、悪意あるアプリのサイレントインストールを行います。また、Google Playストア上のアプリを悪用した同様の手口も確認されています。
主要なTTP
低価格なAndroid端末のファームウェアへのマルウェアの事前組み込み(サプライチェーン侵害)
リモートサーバーからの設定取得と追加ペイロードのダウンロード・実行
Google Playストアアプリの機能停止によるセキュリティ保護機能(Play Protect)のバイパス
感染端末のレジデンシャルプロキシ(リレーノード)化によるボットネットへの組み込み
不要な広告を表示させるアドフラウド(広告・クリック詐欺)の実行
対象となる組織・利用者
業務で安価な海外製Android端末や検証用デバイスを利用している組織、または従業員の私物端末(BYOD)を管理する情シス担当者。
推奨される防御アクション
業務利用するAndroid端末は信頼できるベンダーや正規チャネルから調達する
端末の初期ファームウェアやプリインストールアプリに不審な挙動がないか確認する
ADBなどを活用して不要なシステムコンポーネントの無効化や対策を検討する
■ 注目事例
IDARE、不正アクセスで個人情報漏えい
株式会社IDAREが運営するキャッシュレスサービス「IDARE」において、外部ソフトウェアの脆弱性を悪用した不正アクセスが発生しました。8月10日から9月27日にかけて複数回データベースが不正に取得され、登録ユーザーの個人情報や取引履歴などの漏えいが判明しています。
攻撃手法(確認済み)
カスタマーサポート等の業務のために導入していた外部ソフトウェアの脆弱性を悪用した不正アクセスを受け、データベースの情報が取得されました。
自組織チェックポイント
業務システムやカスタマーサポート等で導入している外部ソフトウェアやツールに既知の脆弱性が放置されていないか
外部ソフトウェアが接続するデータベースなどの内部システムへのアクセス権限や監視体制が適切に管理されているか
JR東海、不正アクセスでメールアドレス等漏えい可能性
📰 過去報告:10/11
東海旅客鉄道は、委託先であるIDCフロンティアで発生した不正アクセスに関連し、運営する「JR東海MARKET」及び「いいもの探訪」のメール配信データに含まれていた顧客のメールアドレスや氏名、住所、電話番号、注文内容などの個人情報が、第三者に閲覧または取得された可能性があると発表しました。個人情報保護委員会への報告が行われており、対象は約15,000件です。
10/11 報告のさがみくみあいサービスの事例と同じく、委託先であるIDCフロンティアでの不正アクセスに起因する公表です。同社サービスを利用中の組織は影響の確認を推奨します。
攻撃手法(確認済み)
委託先である株式会社IDCフロンティアの運営するクラウドを利用したメール配信サービスにおいて、第三者による不正アクセスが発生したことによるもの。具体的な侵入経路等の手口詳細は明記されていない。
攻撃手法(推測)
IDCフロンティア側のクラウド基盤またはメール配信システムに対する脆弱性の悪用、あるいは管理アカウントの不正利用等の可能性があります。
自組織チェックポイント
自組織が利用しているクラウドサービスや委託先のシステムにおいて、不正アクセスが発生した際の連絡体制や影響範囲の把握手順が整備されているか
ブックオフ子会社に不正アクセス、最大約643万件の会員データ流出の恐れ
ブックオフグループホールディングスは、同社子会社の会員情報管理システムが第三者からの不正アクセスを受け、最大約643万件の会員データが外部に流出したおそれがあると発表しました。氏名やメールアドレス、パスワードのハッシュ値などが含まれており、同社は対象者に個別連絡を行っています。
攻撃手法(確認済み)
公表文では第三者からの不正アクセスによる会員情報管理システムからのデータ取得とされており、具体的な侵入経路や手口は公表情報からは不明です。
攻撃手法(推測)
会員情報を管理するWebアプリケーションやAPIの脆弱性悪用、または管理アカウントの認証情報漏えいを突いた不正アクセスの可能性があります。
自組織チェックポイント
会員情報などを扱うWebアプリケーションやAPIに、既知の脆弱性が残っていないか
管理画面やデータベースへのアクセス経路が適切に制限されているか
認証情報を用いた不正なログインや不審な大量データアクセスの検知体制が整っているか
第一興商の委託先でマルウェア感染、顧客情報漏えいのおそれ
第一興商は、業務を委託している日本コロムビアグループ株式会社の従業員端末1台がマルウェアに感染したと発表しました。当該端末に一時保管されていた第一興商の店舗での会員登録や予約に関する顧客情報など、約8,724,000件が外部へ漏えいしたおそれを否定できない状況として調査を進めています。
攻撃手法(確認済み)
公表文では委託先従業員のPC1台がマルウェアに感染したと記載されているのみで、感染経路や詳細な手口は不明。
攻撃手法(推測)
従業員を狙った標的型メール攻撃や、不正な添付ファイル・ウェブサイト経由でのマルウェア感染により、端末内のファイルやデータが外部へ流出した可能性があります。
自組織チェックポイント
業務端末において、メール添付ファイルや不審なリンクからのマルウェア感染を防ぐ対策が講じられているか
委託先の端末や外部の作業環境において、業務上の個人データがローカル端末に一時保管されない運用になっているか
東日本三菱自動車、不正アクセスでなりすましメール
東日本三菱自動車販売は、社員のマイクロソフト365アカウントが不正アクセスを受け、なりすましメール825件が送信されたと公表しました。送信先のメールアドレスや氏名の漏えい、および過去のメール内容が閲覧可能となった可能性があります。
攻撃手法(確認済み)
社員が使用する「マイクロソフト365」のアカウントに対して、第三者が不正にログインしたとみられますが、具体的な侵入経路や手法については明記されていません。
攻撃手法(推測)
クラウドサービスのアカウントに対する不正アクセスであることから、フィッシング攻撃による認証情報の窃取や、推測容易なパスワードに対するブルートフォース攻撃などが利用された可能性があります。
自組織チェックポイント
Microsoft 365等のクラウドサービスへのサインインに、多要素認証(MFA)が強制されているか
パスワードの使い回しや推測されやすい文字列を防ぐポリシーが運用されているか
■ レポート・解説
明日のセキュリティ脅威情報も、あなたのメールに。
毎朝、攻撃手口の理解と自組織の脅威判断に役立つ情報をお届けします。購読は無料、配信停止はいつでも可能です。
無料で購読する →
この内容は 2026-10-14 に配信されました。