2026-09-17(木)配信
セキュリティ脅威情報
■ 要対応(緊急度が高く、多くの組織で対応が必要な事案)
KEVCisco Identity Services Engine の特権API不正利用の脆弱性
📰 過去報告:9/10
Cisco Identity Services Engine (ISE) および Cisco ISE Passive Identity Connector (ISE-PIC) において、特権 API の不適切な使用に起因する脆弱性が存在する。認証されていない遠隔の攻撃者が、Web ベースの管理インターフェースをバイパスして影響を受けるデバイスへの不正アクセスを取得するおそれがある。CISA は 2026-09-19 までの対応を推奨している。
9/10報告のCisco製品と同様、CISAから対応が推奨されている事案です。対象システムを利用中の環境では対応状況の確認を推奨します。
なぜご自身の組織で確認すべきか認証・アクセス制御基盤において認証なしでWeb管理をバイパスされる脆弱性であり、CISA KEVに登録され悪用が確認されているため。
攻撃手法(確認済み)
認証されていない遠隔の攻撃者による、Web 管理インターフェースのバイパスおよび影響を受けるデバイスへの不正アクセス。
自組織チェックポイント
ベンダーの指示に従って緩和策を適用し、CISA の BOD 26-04 および「Forensics Triage Requirements」のガイダンスに準拠すること。緩和策が利用できない場合は製品の使用を中止する。
■ 脅威動向
KEVAcronis Backupにおける不適切なデフォルトパーミッションの脆弱性
📰 過去報告:9/12
Acronis BackupのcPanel & WHM用プラグインおよびPlesk用拡張機能において、不適切なデフォルトパーミッションに起因する脆弱性が存在する。CISAはこの脆弱性が実際に悪用されていることを確認し、警告を発している。攻撃者によって権限昇格に悪用されるおそれがあり、組織のインフラストラクチャに対する不正アクセスやさらなる侵害につながる危険性が高い。CISAは2026年09月19日までの対応を推奨している。
連日報じられているCISAによる悪用確認・注意喚起に続く事案です。該当製品を利用中の組織は推奨期日までの迅速な対応を検討してください。
対象ソフト
Acronis Backupは、企業や組織のデータ保護、バックアップ、ディザスタリカバリを統合管理するためのバックアップソリューションである。
影響
権限昇格が発生し、攻撃者がシステム上でより高い権限を取得して不正な操作を行うおそれがある。
対応策
ベンダーの指示に従い、緩和策を適用すること。CISAのBOD 26-04および「フォレンジック・トリアージ要件」に従い、クラウドサービスの適用ガイダンスを確認するか、緩和策が利用できない場合は製品の使用を中止すること。
脆弱性@zereight/mcp-gitlab における認証欠如および任意のファイル読み取りの脆弱性
📰 過去報告:9/12
npm パッケージ @zereight/mcp-gitlab において、SSE(Server-Sent Events)転送モード使用時の認証欠如と、upload_markdown ツールにおけるパス・トラバーサルの脆弱性が発見された。これらが組み合わさることで、認証を受けていないネットワーク上の攻撃者がサーバー内の任意のファイルを読み取ることが可能となる。特に Docker デフォルト設定では、認証なしでエンドポイントが外部公開され、プロセスが root 権限で動作しているため、攻撃者は環境変数ファイルなどから GitLab のパーソナルアクセストークン(PAT)を容易に窃取できる。この結果、GitLab アカウントが完全に外部から制御される恐れがある。
9/12 報告のGitLabに関する事案に続き、GitLab関連のnpmパッケージにおいてもファイル読み取り等の脆弱性が報告されています。利用状況の確認をお勧めします。
対象ソフト
GitLab と連携する Model Context Protocol (MCP) サーバーである。LLM などの外部アプリケーションが GitLab のリポジトリやプロジェクト設定を操作するためのインターフェースとして使用される。
影響
攻撃者はサーバー上の任意のファイルを読み取ることで、GitLab のパーソナルアクセストークンを窃取できる。これにより、GitLab アカウントの完全な乗っ取り、全リポジトリへのアクセス、CI/CD 変数やシークレットの取得、プロジェクト設定の変更、および管理者権限の不正利用などが実行される可能性がある。
対応策
2.1.27 以降にアップグレードすること。
脆弱性LMDeploy における不安全なデシリアライゼーションによるリモートコード実行の脆弱性
LMDeploy の RPC 通信を担う AsyncRPCServer において、受信したメッセージを処理する際のデシリアライゼーション処理に問題がある。検証なしに `pickle.loads()` を実行するため、攻撃者が細工したデータを送信することでリモートコード実行(RCE)が可能となる。特に 0.10.2 未満のバージョンでは、RPC サーバがすべてのネットワークインターフェース(tcp://*)で接続を待ち受けており、外部から到達可能なポートをスキャンされることで容易に攻撃を受けるリスクがあった。
対象ソフト
LMDeploy は、大規模言語モデル(LLM)の推論や展開を最適化し、高速に実行するためのオープンソースツールキットである。主に AI モデルのデプロイや推論サーバの構築に使用される。
影響
攻撃者はリモートから被害者のマシン上で任意の OS コマンドを実行できる。リバースシェルを作成されることにより、システムの完全な制御権を奪取される恐れがある。
対応策
LMDeploy バージョン 0.10.2 以降にアップグレードすること。バージョン 0.10.2 では、RPC サーバのバインド先を localhost に変更することで、外部ネットワークからの攻撃経路が遮断されている。
ホテル向けシステムを狙ったスキャン活動を観測
宿泊施設向けの管理システムやPBX(構内交換機)関連のアプリケーションを対象とした、特定のIPアドレスからのスキャン活動が観測されています。古いオープンソースの管理システムや管理用パス(/admin/、/hms/、/hotel/等)を探索するリクエストが確認されています。
主要なTTP
特定の管理パス(/admin/、/ucp/、/hms/、/hotel/等)や宿泊施設向けアプリケーションのパスに対するスキャン実行
対象となる組織・利用者
宿泊施設やホテル向けの情報システム、および古いPBX・管理システムを運用している組織。
推奨される防御アクション
公開サーバーにおける不要な管理画面やレガシーアプリケーションの露出を確認・排除する
ウェブサーバーのアクセスログを監視し、不審なスキャンや特定の管理パスへのアクセスを検知する
ファイアウォールやWAFを活用し、不審な外部IPからのアクセスを制限する
■ 注目事例
Gyazo不正アクセス、ユーザー情報やメタデータ流出
株式会社Helpfeelが提供する画像共有サービス「Gyazo」が不正アクセスを受けました。画像アップロードサーバーの脆弱性を悪用され、システム上で任意のコマンドが実行されたもので、ユーザー情報約2,362万件と画像に関するメタデータ約4.9億件などが外部に流出したことが判明しています。
攻撃手法(確認済み)
画像アップロードサーバーに存在した脆弱性を悪用され、第三者がシステム上で任意のコマンドを実行する不正アクセスが発生したと公表されています。
攻撃手法(推測)
アップロードサーバー上の入力値検証の不備や、古くなったミドルウェアの既知の脆弱性が悪用された可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で運用するファイルアップロード機能において、適切な入力値検証やサニタイズが行われているか
サーバー上のソフトウェアやフレームワークが適切にパッチ適用・管理されているか
外部からアクセスされるサーバーへの不正なコマンド実行や不審な挙動を検知する監視体制があるか
認証情報やパスワードのハッシュ値が適切に保護されているか
CINRA JOBに不正アクセス、個人情報漏えいのおそれ
📰 過去報告:9/10
株式会社cinraは、運営する求人サービス「CINRA JOB」のクラウド環境において、認証情報が第三者に取得され不正アクセスを受けたと発表しました。会員情報を保管するデータベース等へアクセス可能な状態であったため、個人情報が漏えいしたおそれがあるとして調査を進めています。
9/10 報告の他社事例と同様、クラウド環境への不正アクセスによる情報漏洩の懸念が発生しています。認証情報の管理状況の再確認を推奨します。
攻撃手法(確認済み)
管理する認証情報が第三者に取得され、不正アクセスが行われた。当該認証情報を用いて会員情報データベースやバックアップへアクセス可能な状態であった。
攻撃手法(推測)
クラウドサービス環境の認証情報の管理不備、または誤設定等により外部から認証情報が漏洩・取得され、それを用いた不正ログインが行われた可能性があります。
自組織チェックポイント
クラウド環境やデータベースへのアクセス認証情報が適切に管理されているか
不要な認証情報やテスト用アカウントが放置されていないか
認証情報の漏えいを検知するための監視体制が構築されているか
クラウド上のリソースへのアクセスログが適切に保存・確認できる状態にあるか
山梨大学のレンタルサーバで改ざん、54サイトが閲覧停止
山梨大学は、契約しているレンタルサーバ上でWebサイト改ざんなどのセキュリティインシデントが発生したと発表しました。CMS利用サイトでの不正ユーザ作成やWebShellの設置などが確認され、対象サーバ内の54サイトが閲覧不可となっています。
攻撃手法(確認済み)
Joomlaの拡張機能「JCE」の脆弱性が悪用され、WebShellが設置されたこと、およびそれを利用して同一レンタルサーバ内の他のサイトへ侵害が拡大したことが判明しています。
攻撃手法(推測)
初期侵入したサイトの権限やレンタルサーバ内のファイルパーミッションの設定不備により、同一サーバ上の他サイトへWebShellや不正ファイルが容易に展開された可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で利用しているCMSやプラグイン・拡張機能は常に最新版にアップデートされているか
レンタルサーバや共用サーバ上で複数サイトを運用する場合、アカウント間の分離や権限設定が適切に行われているか
不要になったWebサイトや古いテスト環境を放置していないか
WebサーバやCMSに対する不正アクセス監視(WebShellの検知など)を導入しているか
プラグインの脆弱性悪用、「洛西進学教室」等に不正アクセス
株式会社アップが運営するプロモーションサイト「洛西進学教室」および「進学館」が外部ソフトウェア(プラグイン)の脆弱性を突いた不正アクセスを受けました。サーバ内に不正プログラムが設置され、講師応募者の個人情報や管理者情報が閲覧された可能性があります。
攻撃手法(確認済み)
外部ソフトウェア(プラグイン)の脆弱性を悪用した不正アクセスにより、サーバ内に不正プログラムが設置されました。
攻撃手法(推測)
ウェブサイトのCMSやプラグインのアップデート遅延による既知の脆弱性が狙われた可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で利用しているCMSやプラグインは最新バージョンにアップデートされているか
不要なプラグインや外部ソフトウェアが放置されていないか
サーバ内のアクセスログや不審なファイルの設置を定期的に監視しているか
サーバ内に過剰な個人情報や管理情報が長期保存されていないか
さくらインターネット、不正アクセス調査結果と再発防止策
さくらインターネットは、レンタルサーバサービスおよび販売管理システムへの不正アクセスに関する第三報を発表しました。「さくらのレンタルサーバ」の全サーバ再構築などの再発防止策を実施する方針です。
攻撃手法(確認済み)
メンテナンス用サーバおよび販売管理システムへの不正アクセス、ならびにメンテナンス用サーバへのマルウェア設置が確認されていますが、具体的な侵入経路や手法は時間の経過に伴う記録の制約等により公表情報からは不明です。
攻撃手法(推測)
管理用アカウントの認証情報が窃取されたか、あるいは管理環境へのネットワーク経路における認証不備や脆弱性が悪用された可能性があります。
自組織チェックポイント
自社のレンタルサーバやクラウド環境の管理画面へのアクセス元IP制限は適切か
初期パスワードのまま運用されている管理者アカウントやサービスアカウントはないか
管理用サーバや販売管理システムへの接続経路に多要素認証(MFA)が導入されているか
サーバーのログ保存期間が十分に確保されており、長期間の不正アクセスの兆候を追跡可能か
■ レポート・解説
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この内容は 2026-09-17 に配信されました。