2026-09-15(火)配信
セキュリティ脅威情報
■ 脅威動向
KEVCisco Secure Email GatewayのSQLインジェクション脆弱性
📰 過去報告:9/10
Cisco Secure Email Gatewayで使用されているAsyncOSソフトウェアにSQLインジェクションの脆弱性が存在している。認証されていない遠隔の攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、基盤となるオペレーティングシステムにおいてルート権限で任意のコマンドを実行されるおそれがある。CISAは悪用の事実を確認しており、2026年09月17日までの対応を推奨している。
9/10 報告の Cisco 製品事例に続き、悪用が確認された脆弱性への対応が求められています。対象製品の利用状況の確認をおすすめします。
対象ソフト
企業のメール送受信のセキュリティを保護し、スパムやマルウェアを防ぐためのセキュアなゲートウェイ製品。
影響
認証されていない遠隔の攻撃者によって基盤システム上でルート権限での任意コマンド実行が可能となり、システムが完全に侵害される危険性がある。
対応策
ベンダーの指示に従い速やかに緩和策を適用すること。CISAのBOD 26-04およびフォレンジックトリアージ要件に準拠し、適切なパッチ適用やインターネット公開状況の評価を実施すること。緩和策が利用できない場合は製品の使用を中止すること。
Telegramデスクトップ版、HTMLエクスポート機能の脆弱性
Telegramデスクトップ版のHTMLエクスポート機能において、ボットのボタンテキストにエスケープ処理が欠落していた問題です。エクスポートしたファイルをブラウザで開いた際に、不正なJavaScriptが自動実行されるおそれがあります。
主要なTTP
ボットメッセージのボタンテキストにスクリプトタグを埋め込む
メッセージの転送機能を利用してチャット履歴やグループへスクリプトを拡散させる
HTMLファイルを開いたブラウザ上でメッセージデータを外部サーバーへ送信する
ページ表示内容を偽の認証フォーム等へ書き換える
対象となる組織・利用者
業務や連絡ツールとしてTelegramデスクトップ版を利用している組織や個人ユーザー。
推奨される防御アクション
Telegramデスクトップ版を修正バージョン(7.0.1以降、またはベータ6.9.4以降)にアップデートする
修正前にエクスポートした古いHTMLファイルは、JavaScriptを無効化して閲覧するか、アップデート後に再度エクスポートし直す
パッチ適用前に作成されたHTMLファイルを信頼できるものとして扱わない
新ハードウェア攻撃DDRop、機密コンピューティングを突破
DDRopは、物理的な回路基板(インターポーザー)を用いてDDR5メモリの書き込みコマンドを強制的にエラー化・破棄させ、プロセッサに古い暗号化データを読み込ませるハードウェア攻撃です。Intel TDXやAMD SEV-SNPのメモリ保護を突破し、仮想マシンの制御権奪取や情報窃取を可能にします。
主要なTTP
プロセッサとメモリの間にインターポーザーを挿入しメモリバスに物理接触
コマンドバスにエラーを強制してメモリ書き込みをドロップ
古い暗号化データを保持させプロセッサに再読込を強要
ページテーブルの書き込みを失敗させて攻撃者のデータにすり替え
仮想マシンのメモリ読み取り、デバッグモード有効化、起動測定値の改ざん
対象となる組織・利用者
Intel TDXやAMD SEV-SNPなどの機密コンピューティング機能を利用してクラウド上でワークロードを運用している組織、およびクラウド事業者。
推奨される防御アクション
物理的なサーバーへの不正アクセスやサプライチェーン上の改ざんを防ぐアクセスコントロールの強化
起動時にインターポーザー等の物理的改ざんがないかを点検する仕組みの検討
可能な場合はIntel TDXの cryptographic integrity モードの適用
■ 注目事例
タイトルの大手通信事業者でMeshCentralがバックドアとして悪用
タイトルの大手通信事業者のネットワーク内で攻撃者が活動していたことが、脅威インテリジェンス企業の調査で判明しました。攻撃者は正規のリモート管理ツール「MeshCentral」を隠しバックドアとして悪用し、内部サーバーのルート権限を掌握していました。さらに、顧客認証情報を格納するRADIUSデータベースを標的としたスクリプトなどが確認されています。
攻撃手法(確認済み)
初期侵入経路は公表情報からは不明です。ただし、ターゲットのSSL-VPNゲートウェイを狙うツールキットや、CVE-2024-21762のエクスプロイトが含まれていたことが確認されています。
攻撃手法(推測)
保有されていたツールキットや脆弱性情報から、FortiGateの既知の脆弱性(CVE-2024-21762)を悪用して境界防御を突破し、内部ネットワークへ侵入した可能性があります。
自組織チェックポイント
外部公開しているSSL-VPN機器の脆弱性(CVE-2024-21762等)へのパッチ適用状況を確認したか
組織内の端末に未知のMeshCentralなどのリモート管理エージェントが導入されていないか
内部ネットワークにおけるSSHのパスワードスプレー攻撃や不審なログイン試行の有無を確認したか
データベースやRADIUSなどの重要認証情報のローテーションを実施したか
臼杵市旧特設サイトのドメインが第三者に取得され注意喚起
大分県臼杵市は、過去に開設した特設サイトの旧ドメインが契約期間終了に伴い失効し、第三者に取得されたと発表しました。当時のチラシ等に掲載されているQRコードからアクセスすると不適切なサイトに繋がる状態となっており、同市はアクセスしないよう注意を呼びかけています。
攻撃手法(確認済み)
契約期間終了に伴い失効した旧ドメインを第三者が取得し、当時のチラシに掲載されたQRコード経由で不適切なサイトへ誘導する状態となっている。
攻撃手法(推測)
過去に自社や組織がキャンペーン等で使用したドメインの管理が失効した際、ドメインハイジャックやミラーサイト作成等によって悪用される可能性があります。
自組織チェックポイント
過去に自社が使用したマーケティング用ドメインや特設サイトのドメイン管理状況を把握しているか
不要になったドメインの自動更新設定や契約期間の管理が行われているか
過去に配布した紙媒体やチラシ、パンフレット等に古いURLやQRコードが残っていないか
失効したドメインが第三者に取得され、不正なコンテンツに利用されていないか点検しているか
🔄 [続報] 日本大学、不正アクセスで教員5名のアカウント乗っ取り
📰 過去報告:9/13, 9/12, 9/9
日本大学は、教員5名のメールアカウントが第三者に不正利用され、スパムメールが1,333件送信されたと公表しました。アカウントのデータに対する大規模な持ち出しや不正利用は確認されていないものの、情報閲覧の可能性を完全に排除できないとして関係者への注意喚起を行っています。
9/13などの日本大学における一連のアカウント不正利用公表に続く報告です。今回は教員5名のアカウントが不正利用され、1,333件のスパムメール送信が確認されたと公表されています。
攻撃手法(確認済み)
第三者が教員計5名のアカウントへ不正にアクセスし、スパムメール送信の踏み台として利用しました。
攻撃手法(推測)
フィッシングメール等の手法により認証情報(ID・パスワード)が窃取され、アカウントが乗っ取られたと考えられます。
自組織チェックポイント
すべてのメールアカウントやクラウドサービスに多要素認証(MFA)が導入されているか
フィッシング対策として、怪しいリンクや添付ファイルに関する従業員教育が定期的に実施されているか
不審な大量メール送信などの異常な振る舞いを検知する監視体制が整っているか
アカウントの権限管理が適切に行われ、不要な内部データへのアクセスが制限されているか
SCAT、利用クラウドの不正利用で警察に被害届提出
SCAT株式会社は、同社が利用する有償クラウドサービスが第三者に不正利用されたと発表しました。現時点で情報漏えいの形跡は確認されていませんが、同社は警察に被害届を提出し、発生した利用料金について事業者と協議を行っています。
攻撃手法(確認済み)
公表情報では第三者による有償クラウドサービスの不正利用とのみ記載されており、具体的な侵入経路や手口は不明です。
攻撃手法(推測)
管理者アカウントの認証情報が何らかの経由で流出したか、多要素認証(MFA)が未設定であったアカウントに対して不正ログインが行われ、クラウド上のリソースやサービスが不正に消費された可能性があります。
自組織チェックポイント
利用しているクラウドサービスの管理者アカウントに多要素認証(MFA)が強制されているか
不要になったクラウド上のアカウントやアクセスキーが適切に削除・無効化されているか
クラウドサービスの利用料金やリソース使用量の急増を検知するアラートを設定しているか
クラウドサービスのアクセスログを定期的に確認しているか
MOOMOO JAPAN、不正アクセスで会員情報流出の疑い
📰 過去報告:9/8
株式会社RBW JAPANは、運営するファンクラブサイト「MOOMOO JAPAN」においてシステム管理委託先のサーバーに不正アクセスの形跡を確認したと発表しました。有料会員のメールアドレスやパスワードが外部へ流出した可能性があります。
Webサービスや会員システムを狙った不正アクセスが相次いでいます。外部公開システムや委託先のアクセス管理体制の再確認が推奨されます。
攻撃手法(確認済み)
システム管理委託会社のサーバーに対する外部からの不正アクセスの形跡が確認されたとされているが、具体的な侵入手法や脆弱性の詳細は公表情報からは不明です。
攻撃手法(推測)
管理委託先のサーバーやWebアプリケーションに存在する既知の脆弱性の悪用、あるいは管理アカウントの認証情報漏えいや不正利用を起点として侵入された可能性があります。
自組織チェックポイント
自社システムやWebサイトの管理を委託している場合、セキュリティ対策状況を確認しているか
委託先サーバーへのアクセス権限や認証方式(多要素認証の導入など)が適切に管理されているか
パスワード管理において使い回しを防止する仕組みや、流出時の影響を抑える対策が講じられているか
サーバ等のログ監視や不正アクセスの早期検知体制が整備されているか
■ レポート・解説
明日のセキュリティ脅威情報も、あなたのメールに。
毎朝、攻撃手口の理解と自組織の脅威判断に役立つ情報をお届けします。購読は無料、配信停止はいつでも可能です。
無料で購読する →
この内容は 2026-09-15 に配信されました。