2026-08-08(土)配信

セキュリティ脅威情報

■ 要対応(緊急度が高く、多くの組織で対応が必要な事案)
Microsoft 365を狙うAitM型フィッシング、給与・財務情報を標的に
📰 過去報告:8/5
Microsoft 365アカウントを標的に、認証情報やMFAコードを窃取する高度なアドバーサリ・イン・ザ・ミドル(AitM)型フィッシングキャンペーンが活発化しています。攻撃者は住宅用プロキシや信頼性の高い正規サービスを利用してフィルタを回避し、人事・財務担当者のアカウントを乗っ取って給与関連情報などを収集していると報じられています。
8/5 報告の Greatness による MFA バイパス攻撃と同様、Microsoft 365 を狙うフィッシングが巧妙化しています。人事・財務アカウントの保護を強化してください。
なぜご自身の組織で確認すべきか企業の主要認証基盤であるMicrosoft 365を直接標的とし、MFAを突破する進行中のAitM型フィッシング攻撃キャンペーンであるため。
悪意ある約800個のnpmパッケージ、クロスプラットフォームRATを配信
📰 過去報告:8/4
npmレジストリに約800個の悪意あるパッケージが公開され、Windows、Mac、Linuxを標的としたクロスプラットフォームのRAT(遠隔操作ツール)や情報窃取マルウェアを配信するキャンペーンが確認されました。これらはライフサイクルスクリプトを使わず、READMEでrequire()による読み込みを指示する手口が特徴です。
8/4 報告の事例と同様、悪質なnpmパッケージを介したRAT配信が確認されています。ライブラリの導入や依存関係の確認など警戒が必要です。
なぜご自身の組織で確認すべきか開発環境に直接影響を及ぼす大規模な悪意あるパッケージの配布によるサプライチェーン汚染であるため。

この続きを、毎朝メールで受け取りませんか?

無料で購読する →
■ 脅威動向
KEVProgress LoadMasterにおけるコマンドインジェクションの脆弱性
📰 過去報告:8/6
Progress LoadMasterにコマンドインジェクションの脆弱性が存在する。認証されていない攻撃者が、複数のコマンドエンドポイントにおいてサニタイズされていない入力を悪用することにより、LoadMasterアプライアンス上で任意のコマンドを実行することが可能である。CISAは本脆弱性について悪用を確認しており、2026年08月10日までの対応を推奨している。
8/6報告の事例と同様、CISAにより悪用が確認された脆弱性が公表されています。該当アプライアンスを利用中の場合は推奨期日までの対応をご検討ください。
対象ソフト
Progress LoadMasterは、アプリケーションの負荷分散やトラフィック管理を行うためのロードバランサー製品であり、企業のネットワークインフラやWebサービスにおいて広く利用されている。
影響
認証されていない遠隔の攻撃者によって、アプライアンス上で任意のコマンドが実行され、システムが乗っ取られるおそれがある。
対応策
ベンダーの指示に従って緩和策を適用すること。CISAのBOD 26-04およびフォレンジックトリアージ要件に準拠し、必要に応じてクラウドサービスのガイダンスに従うか、緩和策が利用できない場合は製品の使用を中止すること。
脆弱性CodeIgniterにおけるファイル拡張子検証バイパスの脆弱性
CodeIgniterのアップロードファイル検証機能において、`is_image`および`mime_in`ルールにおけるファイル拡張子の検証バイパスの脆弱性が存在する。脆弱な設定のアプリケーションにおいて、クライアント提供のファイル名をそのまま保存し、PHPスクリプトが実行可能なWebアクセス可能なディレクトリにアップロードファイルを配置している場合、リモートコード実行につながるおそれがある。
対象ソフト
CodeIgniterは、PHPで記述された広く利用されている軽量なオープンソースWebアプリケーションフレームワークであり、Webシステムの迅速な開発に用いられる。
影響
攻撃者によって不正なファイルをアップロードされ、リモートコード実行(RCE)を引き起こす可能性がある。これにより、システムが完全に侵害される危険性がある。
対応策
v4.7.4以降にアップグレードすること。また、アップロードファイルを公開Webルート外に保存する、ランダムなファイル名を使用する、アップロードディレクトリでのスクリプト実行を無効化するなどの回避策を適用する。
⚠️ [継続注意] Cisco、Catalyst SD-WAN等に深刻な脆弱性
📰 過去報告:8/7
Cisco Systemsが公開した12件のセキュリティアドバイザリにおいて、Catalyst SD-WANやIOS XEなどの複数製品に合計23件の脆弱性が報告されました。入力検証不備やアクセス制御不備などにより、CVSSv3.1で最高「9.9」に達する深刻な脆弱性が含まれています。
8/7 報告の同一 CVE(Cisco Catalyst SD-WAN等)に関する継続注意情報です。クリティカル指定のアドバイザリも含まれており、対象環境の確認と早急な対応を推奨します。
主要なTTP
Cisco Catalyst SD-WAN Softwareにおける入力検証不備(CVE-2026-20303)およびアクセス制御不備(CVE-2026-20304)
Cisco IOS XE Softwareにおける特殊要素の無害化不備(CVE-2026-20272)
各製品におけるアクセス制御不備やリンク解釈の不備による高リスクな状態の発生
対象となる組織・利用者
Cisco Catalyst SD-WANやCisco IOS XEをはじめとするシスコ製品をネットワーク環境やインフラに導入している組織。
推奨される防御アクション
Ciscoが公開した公式セキュリティアドバイザリを確認し、対象製品のファームウェアやソフトウェアを速やかにアップデートする
ネットワーク機器の管理インターフェースへのアクセス制限を見直す
UNC6671、個人携帯へのビッシングでSaaS標的
データ恐喝グループ「UNC6671」が、企業の従業員の個人携帯電話に対して音声フィッシング(ビッシング)を仕掛け、偽のITヘルプデスクを名乗る手口が報じられています。AitM(Adversary-in-the-Middle)インフラを用いて認証情報やMFAトークンをリアルタイムで窃取し、Microsoft 365やOktaなどのSaaS・クラウド環境へ不正アクセスしてデータを窃取します。
主要なTTP
偽のITヘルプデスクを騙る音声フィッシング(個人の携帯電話への直接発信)
AitM(Adversary-in-the-Middle)インフラを用いた認証情報・MFAトークンのリアルタイム窃取
IDプロバイダ(IdP)のトラスト関係を悪用したSaaS環境への横展開
攻撃者自身でMFAデバイスを不正登録し、既存デバイスを削除して持続性を維持
PythonやPowerShellスクリプトを用いた自動データ流出
対象となる組織・利用者
金融サービス、プライベートエクイティ、専門サービス、テクノロジー、製造業など、クラウドやSaaS環境(Microsoft 365やOktaなど)を業務で広く利用している組織の情シス・セキュリティ担当者。
推奨される防御アクション
フィッシング耐性のあるMFA(FIDO2/パスキー等)の導入・強制
IDプロバイダ(IdP)ログにおける不審なMFAデバイス登録・変更イベントの監視
従業員に対する、個人の携帯電話への業務関連の緊急連絡(ビッシング)に対する注意喚起
セッション制御の導入や、信頼されたネットワーク・コーポレートマネージドデバイスからのアクセス制限
WordPressに認証前XSSからRCEに至る脆弱性
WordPressのログイン画面における認証不要の反映型クロスサイトスクリプティング(XSS)脆弱性です。ログイン失敗時のユーザー名処理の不備に起因し、悪意ある操作や管理者セッションとの連鎖により、最終的にサーバー上での遠隔コード実行(RCE)につながる危険性があります。
主要なTTP
ログイン画面のユーザー名入力値に対する sanitization と wp_kses_post によるパーサーの解釈の差異を利用したXSS
WordPressの REST JSONP や アプリケーションパスワード機能を悪用した同じオリジンでのスクリプト実行
管理者セッションを誘導し、不正なプラグインZIPファイルをアップロードする攻撃チェーン
対象となる組織・利用者
WordPressを運用しているすべての組織およびウェブサイト管理者。
推奨される防御アクション
ただちにWordPressをパッチ適用済みのバージョン(7.0.3以降、または各バックポート版)にアップデートする
自動バックアップ・アップデート機能の稼働状況を確認する
管理者アカウントでの不審なセッションやアプリケーションパスワードの作成履歴を監視する
Djangoに4件の脆弱性、アップデート公開
ウェブアプリケーションフレームワーク「Django」に、ファイル書き込みやリモートコード実行につながるおそれのある高重要度の脆弱性(CVE-2026-15307)を含む4件の脆弱性が判明しました。
主要なTTP
空間ルックアップを悪用したファイル書き込み・外部ネットワークリクエスト(CVE-2026-15307)
ネストしたGEOMETRYCOLLECTIONによる異常終了(CVE-2026-15830)
管理画面でのURL未検証によるクロスサイトスクリプティング(CVE-2026-15920)
長大な言語コード処理によるサービス拒否(CVE-2026-15337)
対象となる組織・利用者
「Django 6.0系」や「同5.2系」などの影響を受けるバージョンを使用しているWebアプリケーション開発・運用組織。
推奨される防御アクション
「Django 6.0.8」または「同5.2.17」へアップデートを適用する
利用中のDjangoのバージョンを確認し、脆弱性のある環境がないか点検する
暗号資産ウォレットを標的とするmacOS向けClickFix攻撃
📰 過去報告:8/6
偽のエラー画面や検証ページを介してユーザーに悪意あるコマンドをターミナルやファイル名を指定して実行させる「ClickFix」手法を利用し、macOS端末を標的に認証情報や暗号資産を窃取するマルウェアの配布が確認されています。
8/6 報告に続き、macOSを狙うClickFix攻撃の手口が報告されています。ターミナル操作を誘導して暗号資産や認証情報を狙うマルウェアが確認されており、引き続き警戒が必要です。
主要なTTP
偽のシステムエラー表示によるソーシャルエンジニアリング
ターミナルへの悪意あるコマンド(シェルスクリプト)の手動貼り付け誘導
CPUアーキテクチャに適合したGo製Mach-Oペイロードの取得・実行
ブラウザの保存済みパスワードやApple Keychainデータの窃取
暗号資産ウォレットの残高を特定割合で段階的に送金・搾取する機能(DRAINルーチン)
対象となる組織・利用者
業務端末としてmacOSを利用している組織や、組織内の個人端末で暗号資産やブラウザ認証情報を扱う従業員を抱える企業。
推奨される防御アクション
不審なWebサイト上でターミナルやシステム設定へのコマンド入力を求められても従わないよう従業員へ教育する
エンドポイントセキュリティ製品(EDR)導入により、予期せぬスクリプト実行や特権昇格プロンプトの挙動を監視する
信頼できないソースからのソフトウェア実行を制限する
■ 注目事例
埼玉歯科医師国保、委託先の不正アクセスで第二報
📰 過去報告:8/4
埼玉県歯科医師国民健康保険組合は、システムを委託している株式会社YCC情報システムのサーバーが不正アクセスを受けた件について、個人情報が漏洩した可能性のある組合員へ文書を送付したと公表しました。
8/4 報告の他社事例と同様、システム委託先への不正アクセスに起因する事案です。委託先のセキュリティ管理体制や緊急連絡体制の確認を推奨します。
攻撃手法(確認済み)
開発元である株式会社YCC情報システムのサーバーに対する不正アクセスが発生したとされていますが、具体的な侵入経路や手口については公表文に明記されていません。
攻撃手法(推測)
開発元のサーバーや高額療養費管理システムの保守用リモートアクセス環境、または外部公開されている資産における脆弱性が悪用された可能性があります。
自組織チェックポイント
外部の委託先やシステム開発元と接続しているネットワークのアクセス制御が適切に行われているか
委託先におけるセキュリティ対策の実施状況や監査結果を定期的に確認しているか
自社で利用している委託システムへの接続経路(VPN等)に多要素認証が導入されているか
名鉄協商、不正アクセスに伴う個別案内実施状況を公表
📰 過去報告:8/3
名鉄協商株式会社は、7月に公表した不正アクセス事案に関連し、情報漏洩のおそれがある顧客に対する個別案内の実施状況(8月6日時点)を公開しました。現時点で情報の外部流出は確認されていないものの、カーシェア会員や月ぎめ駐車場利用者等に対して順次案内を実施しています。
8/3 報告の他社事例と同様、不正アクセス発覚後の対応・個別案内の進捗を公表した事例です。インシデント発生時の顧客連絡体制や公表手順の参考にしてください。
攻撃手法(確認済み)
公表文では「不正アクセス」と記載されていますが、具体的な侵入経路や手口についての詳細は明記されていません。
攻撃手法(推測)
会員情報や駐車場利用者・オーナー情報を管理するシステムやデータベースに対して、外部からの不正アクセスが行われた可能性があります。
自組織チェックポイント
会員情報や顧客データを管理するシステムへのアクセス制御が適切に行われているか
外部公開しているWebアプリケーションやサーバーに脆弱性が存在しないか
不正アクセスの兆候を検知するためのログ監視やEDRが導入されているか
🔄 [続報] EC構築サービス「ショップサーブ」で情報流出
📰 過去報告:8/2, 8/3
ECサイト構築サービス「ショップサーブ」が外部からの不正アクセスを受け、購入者や利用店舗の各種情報が流出したことが報じられています。サーバ上で不正なプログラムが実行され、のべ800万件を超えるデータが対象となっている模様です。
8/2および8/3報告の「ショップサーブ」における不正アクセス事案に関する報道です。サーバー上での不正プログラム実行により、のべ800万件を超えるデータの影響が報じられています。
攻撃手法(確認済み)
第三者がサーバ上で不正なプログラムを実行し、情報流出が発生したとされています。
攻撃手法(推測)
管理画面の認証情報の漏洩や、外部から接続可能なサービス・アプリケーションの脆弱性が悪用された可能性があります。
自組織チェックポイント
クラウドサービスや外部構築システムを利用する際、認証情報の管理が適切に行われているか確認する
自社で利用する管理画面やサーバへのアクセス制御・ログ監視が有効に機能しているか点検する
パスワードの使い回しを禁止し、多要素認証(MFA)の導入を徹底する
■ レポート・解説
オープンソースの変貌とエンタープライズの対応
オープンソースソフトウェアは、サプライチェーン攻撃の増加やAIを活用した高度な脆弱性探索などにより、大きな転換期を迎えています。今後は、エンタープライズ企業が安心して利用できる「説明責任やパッチ提供が維持されるサブセット」と、それ以外のプロジェクトへ二極化していくと指摘されています。
格安AIサービス「Poison Claude」の危険性
サイバー犯罪フォーラム等で宣伝されている格安AIサービス「Poison Claude」について、Oktaのセキュリティ研究者が詳細を共有しました。AWSなどの新規登録特典の悪用によって低価格を実現している一方、送信されたプロンプトや機密データが傍受されるリスクが指摘されています。

明日のセキュリティ脅威情報も、あなたのメールに。

毎朝、攻撃手口の理解と自組織の脅威判断に役立つ情報をお届けします。購読は無料、配信停止はいつでも可能です。

無料で購読する →
この内容は 2026-08-08 に配信されました。