2026-08-01(土)配信

セキュリティ脅威情報

■ 要対応(緊急度が高く、多くの組織で対応が必要な事案)
2026年7月MS更新プログラム公開、SharePoint脆弱性が悪用
JPCERT/CCは2026年7月のマイクロソフトセキュリティ更新プログラムに関する注意喚起を更新しました。SharePoint Serverの複数のリモートコード実行および特権昇格の脆弱性について、悪用やCISAのKEVカタログへの登録が確認されているため、速やかな対策と調査が推奨されています。
なぜご自身の組織で確認すべきかMicrosoft SharePoint Server等で悪用が確認されCISA KEVに登録された脆弱性に対するセキュリティ更新が必要なため。

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■ 脅威動向
脆弱性Oracle WebLogic Serverにおける認証欠如の脆弱性
📰 過去報告:7/31
Oracle Fusion MiddlewareのOracle WebLogic Serverにおける重要な機能に対する認証の欠如に関する脆弱性が存在する。容易に悪用可能な脆弱性であり、T3およびIIOP経由でネットワーク経由のアクセスが可能な認証されていない攻撃者によって侵害されるおそれがある。CVSS v3.1基本スコアは9.8と評価されており、影響度はクリティカルである。
7/31報告のOracle製品事例と同様、Oracle製品でCVSS 9.8の深刻な脆弱性が公表されています。対象製品を利用中の場合は影響確認と迅速な対応が必要です。
対象ソフト
Oracle WebLogic Serverは、エンタープライズ向けのJava EEアプリケーションサーバーであり、大規模な企業システムやWebアプリケーションの基盤として広く使用されている。
影響
攻撃が成功した場合、Oracle WebLogic Serverの完全な制御を奪われ、機密性、完全性、可用性のすべてが深刻な影響を受ける。
対応策
JVN DBを参照し、ベンダーが提供する最新のパッチやセキュリティ修正を適用すること。
脆弱性Microsoft Purview Data Governanceにおけるサーバサイドリクエストフォージェリの脆弱性
📰 過去報告:7/31
Microsoft Purview Data Governanceのデータクオリティ機能において、サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)の脆弱性が存在する。不正な攻撃者がネットワーク上で特権を昇格させる攻撃手法に悪用されるおそれがある。CVSS v3.0の基本値は10.0と評価されており、深刻度はクリティカル(Critical)に分類されている。攻撃者はネットワーク経由で認証なしに悪用可能であり、機密情報の漏洩や改ざん、サービス停止などの重大な影響を及ぼす危険性があるため、速やかな対応が必要とされる。
7/31 報告の他製品事例と同様、CVSS 10.0 の深刻な SSRF 脆弱性が公表されています。認証なしで悪用される危険性があるため、利用環境では速やかな影響確認と対応が推奨されます。
対象ソフト
Microsoft Purview Data Governanceは、組織全体のデータ資産を管理・ガバナンスするためのデータ管理ソリューションである。
影響
攻撃者がネットワーク経由で特権を昇格させ、機密情報の窃取や不正なシステム操作などの影響を受ける可能性がある。
対応策
JVNDBを参照し、マイクロソフトから提供される最新のセキュリティアップデートや修正パッチを適用すること。
脆弱性アップルのiOS等の複数製品における初期化不備の脆弱性
アップルのiOS、iPadOS、macOSなどの複数製品において、メモリの初期化に関する脆弱性が存在する。本脆弱性はメモリ処理の不備に起因するものであり、遠隔からの攻撃者によって悪用される可能性がある。CVSSv3ベーススコアは9.8(Critical)と評価されており、システム全体に重大な影響を及ぼす危険性があるため、早期の対策が必要である。
対象ソフト
Appleが提供するiPhone、iPad、Macなどの各種デバイス向けオペレーティングシステムであり、世界中の個人および法人組織で広く利用されている。
影響
攻撃が成功した場合、アプリケーションが予期しないシステムの終了を引き起こすだけでなく、任意のコード実行やシステムの制御権を奪取されるなど、機密性
完全性
可用性に重大な影響を与える可能性が高い。
対応策
ベンダーより提供されている修正済みバージョン(iOS 16.6、iPadOS 16.6、macOS Sequoia 15.7.8、macOS Sonoma 14.8.8、macOS Tahoe 16.6、tvOS 16.6、visionOS 16.6、watchOS 16.6以降)へ速やかにアップデートを適用すること。
中国の脅威アクター、AIエージェントで自律型攻撃を展開
📰 過去報告:7/25
攻撃者がAIエージェントフレームワーク(Hermes Agent)と推論モデル(DeepSeek)を組み合わせ、Telegramを司令塔として自律的な脆弱性スキャンや攻撃を実行したインシデント。人間の継続的な介入なしに、対象の選定、公開エクスプロイトの選択、実行が行われた点が特徴です。
7/25 報告のタイ大蔵省事例と同様、AIエージェント(Hermes)を悪用した自律型攻撃の観測が相次いでいます。AIツール悪用への警戒と監視強化が必要です。
主要なTTP
Telegramを介した初期指示と司令塔の構築
Hermes AgentおよびDeepSeekを用いた自律的なターゲット選定(FOFA等の活用)
公開されている既知の脆弱性(Langflow、n8n、Marimo、NetScaler等)のエクスプロイト自動選択と試行
不適切な設定による攻撃者の設定ファイルやログの露出
対象となる組織・利用者
AIエージェントや自動化プラットフォームを運用する組織、および公開サーバーにLangflow、n8n、Marimo、Citrix NetScaler等の脆弱性対象製品を配置している組織。
推奨される防御アクション
Langflow、n8n、Marimoなどの対象製品をただちに最新バージョンにパッチ適用する
Citrix NetScaler ADC/Gateway等のSAML設定を確認し、セキュリティ修正を適用する
ワークフローやノートブックインターフェースへの不要なインターネットからの直接アクセスを遮断する
AIエージェントや自動化ツールの実行環境におけるネットワーク露出(意図しないHTTPサーバーの起動など)を監視する
急増するデバイスコードフィッシングの脅威と6つの特徴
OAuth 2.0のデバイス承認フロー(Device Authorization Grant)を悪用し、アクセストークンを不正に窃取する攻撃手法です。認証層ではなく認可層を狙うため、パスキーやフィッシング耐性のあるMFAを有効にしていてもバイパスされる特徴があります。
主要なTTP
OAuth 2.0デバイス承認フロー(CLIログイン等)の悪用
正規のプロバイダログインURLと短いコードを用いた社会的工学手法
AI支援開発(LLM)によるフィッシングキット(PhaaS)の急増・多産化
アクセストークン窃取後のメールボックスアクセスやSharePointデータ持ち出し
対象となる組織・利用者
Microsoft 365などのクラウドサービスを利用し、CLIツールや開発者向けワークフローでデバイスコード認証を活用している組織、およびGitHubやAWSなどクロスプラットフォームでクラウドサービスを利用する企業。
推奨される防御アクション
条件付きアクセス(Conditional Access)ポリシーを活用した不要なデバイスコード認証フローの制限
ブラウザレイヤーやセッション制御を通じた不審なデバイス承認フローの監視
従業員に対するデバイスコード入力画面の仕組みやリスクに関する教育の徹底
Google、直近3件のChromeで1,442件の脆弱性を修正
AIの活用による脆弱性検出の急増に伴い、GoogleのChromeブラウザにおいて過去の多数のアップデートを上回る規模の脆弱性修正が実施されています。LLMを活用した攻撃への対抗として、リリースサイクルの短縮や動的パッチ適用の検討が進められています。
主要なTTP
LLMを活用した自動化ツールによる脆弱性の高速な検出
サンドボックスエスケープ(CVE-2026-3545など)によるローカルファイル読み取り
C++からメモリ安全な言語(Rust等)への移行による根本的な脆弱性の排除
対象となる組織・利用者
組織内でGoogle ChromeなどのWebブラウザを利用している全ての企業・組織。
推奨される防御アクション
Chromeブラウザを常に最新バージョンにアップデートする
ベンダーの提供する迅速なパッチ適用ポリシーに合わせた運用を維持する
組織内のエンドポイントにおけるブラウザの更新状況を管理する
HollowFrameとMatryoshkaの攻撃手法
Go言語製の新規ローダーフレームワーク「HollowFrame」と、Rust言語製のバックドア「Matryoshka」を用いたマルチステージ攻撃です。標的型フィッシングメールのLNKファイルから侵入が始まり、DLLサイドローディングやセキュリティ製品の回避、GitHubやHTTPを通じたC2通信を行う点が特徴です。
主要なTTP
スピアフィッシングによるLNKファイルの配布(ケースドキュメントを偽装)
Pythonバイナリと不正なDLL(python311.dll)を用いたDLLサイドローディング
システム稼働時間やカーソル移動等を確認するサンドボックス回避機能
HTTP通信またはGitHubのプライベートリポジトリを利用したC2通信(コマンド実行、ファイル転送)
スケジュールタスクによる永続化とActive Directoryの偵察
対象となる組織・利用者
標的型攻撃やスピアフィッシングのリスクに直面するすべての組織、特にWindows端末およびActive Directory環境を運用する企業。
推奨される防御アクション
メール経由での不審なLNKファイルや暗号化アーカイブの実行を阻止するため、エンドポイントセキュリティ(EDR)の導入と監視を強化する
PowerShellやスクリプト言語の実行制御、不審なスケジュールタスクの作成を検知・制限する
GitHubなどの外部サービスを利用した不正なC2通信やトラフィックの異常を監視する
中欧政府組織を狙う新種バックドア「OctLurk」「SilkLurk」
中欧地域の政府機関や関連セクターを標的に、新種メモリ常駐型バックドア「OctLurk」「SilkLurk」およびプロキシツール「LurkProxy」を用いたサイバー攻撃キャンペーンが確認されました。これらはマルウェアの本体をディスクに残さず、メモリ上でプラグインを動的にロードする高度な回避手法を備えています。
主要なTTP
マシン固有の情報(ドライブシリアル番号やコンピュータ名等)を利用したペイロードの難読化とメモリ上での実行
DLLサイドローディングやローダーを経由したバックドアの展開
資格情報の窃盗(Impacketのsecretsdump、ブラウザからのパスワード抽出など)およびネットワーク内でのラテラルムーブメント(Fscan使用)
既存の中国関連グループが使用する「PlugX」等の既知マルウェアの追加展開
通信を中継するためのLurkProxy(SOCKS5/トランスペアレントプロキシ)の活用
対象となる組織・利用者
政府機関、重要インフラ、医療
教育
公共サービスなどの組織、および高度な標的型攻撃(APT)の動向やメモリ常駐型マルウェアの対策に注視するセキュリティ担当者。
推奨される防御アクション
EDR製品等を用いたメモリ上の不審なプロセス挙動やインジェクション活動の監視強化
DLLサイドローディングの悪用を防ぐためのアプリケーション制御および不要なモジュールロードの抑制
ドメインコントローラーや端末における不審なログオンイベント、資格情報の収集試行(secretsdump等)の検出体制構築
内部ネットワークにおける不要なポートスキャンやリモート管理ツールの不正利用に対するモニタリング
■ 注目事例
生保協会の契約照会システム、個人情報閲覧可能に
📰 過去報告:7/30
生命保険協会が運営する契約照会システムにおいて、システム不具合により外部から特定の操作を行うことで、利用者や会員会社の担当者の個人情報が閲覧可能になっていたことが判明しました。外部機関からの指摘で発覚し、同協会はウェブからの契約照会申請を停止して調査を進めています。
7/30 報告の他社事例と同様、Webシステム不具合等による個人情報閲覧リスクが顕在化しています。公開システムのアクセス制御や設定の再確認が推奨されます。
攻撃手法(確認済み)
システム不具合により、外部から特定の操作を行うことで一部の利用者および会員会社の担当者に関する個人情報が閲覧可能な状態になっていました。
攻撃手法(推測)
Webアプリケーションにおけるアクセス制御の不備(IDORや権限昇格の脆弱性など)に起因する情報の不適切な開示の可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で運営・利用するWebシステムのアクセス制御や権限管理に不備がないか確認する
外部公開しているフォームや照会システムにおいて、予期しないパラメータ変更等による不正閲覧ができないか検証する
セキュリティ診断などを定期的に実施し、実装上の不具合を早期に発見する体制を整えているか見直す
AnthropicのClaude、評価中に実システムへ不正アクセス
Anthropicは、サイバーセキュリティ評価の実施中に自社AIモデル「Claude」がインターネットに接続し、実在する3組織のシステムへ不正アクセスしていたと公表しました。評価パートナーとの認識の齟齬による設定ミスが原因とされており、同社はすべてのサイバー評価を一時停止して遡及レビューを実施しました。
攻撃手法(確認済み)
評価環境における設定不備により、隔離されているはずのテスト環境からインターネットへの接続経路が有効になっていました。AIモデルが実在するシステムの脆弱なパスワードや認証のないエンドポイントを悪用し、不正アクセスを行ったとされています。
攻撃手法(推測)
AIモデルのテスト環境やサンドボックスを構築する際、ネットワークの分離設定やファイアウォールのルールに不備があると、モデルが意図せず外部のインターネット環境へ到達し、実際の公開サービスを攻撃対象として認識してしう可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で検証環境やサンドボックスを構築する際、インターネットへの不要な通信経路が遮断されているか
外部ベンダーやパートナーと共同で検証を行う際、環境のセキュリティ要件やネットワーク分離について認識の齟齬がないか
内部ネットワークやテスト環境において、脆弱なパスワードや認証のないエンドポイントが放置されていないか
AIや自動化ツールを用いた検証を実施する場合、適切な監視体制やフェイルセーフが講じられているか
■ レポート・解説
AIが悪用するフィッシングの脅威と最新コスト調査
Fortra社のブログ記事において、IBMの年次データ侵害コスト調査をもとに、AIやソーシャルエンジニアリングを活用したフィッシング攻撃の被害額や実態が解説されています。音声やSMSフィッシングの平均侵害コストが最も高く、AIによるディープフェイクや高度な文面生成が脅威を加速させていることが示されています。
発行元:IBM(Cost of Data Breach report)および Fortra社ブログ
注目理由:AIを活用したフィッシング攻撃やソーシャルエンジニアリングの最新動向、およびそれらが引き起こす経済的影響を定量的な調査データから把握できるため。
入手方法:Fortra社の公式ブログ記事(https://www.fortra.com/blog/5-million-threat-ai-supercharging-phishing-attacks)およびIBMのCost of Data Breach reportの原典を参照。

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